女王様と王子様
『ただい「いらっしゃーい!!」
ま、という前に実咲が走って出てきた。
「お帰り、透子ちゃん。…藤臣君もいらっしゃい」
「こんにちは」
『ごちゃごちゃしてるけど、上がって』
「透子ちゃんひどい!お母さんちゃんと片付けたのに…」
『これは片付けたって言わない。“寄せた”って言うの』
階段の隅に実咲のオモチャが転がったりハンカチが落ちてたり…
お母さんは洗濯や料理は出来るがその他はオンチだ。
『ここ入って』
「お邪魔します」
とりあえず藤臣を居間に案内する(ここが一番綺麗だ)。
襖を閉めようとすると、実咲も入ってきた。
「山本みさきです!六才です!すきな食べ物はイチゴです!」
何その敬礼。どこで習ったのよ。
「藤臣棗です。よろしくね、実咲ちゃん」
得意の笑顔で自己紹介する藤臣。
その態度に機嫌を良くした実咲はゴキゲンに藤臣の隣に座った。
「みさき、ふじおみのこと知ってるよ」
「え?」
「とうこちゃんがいつも“何の苦労もしてないくせに!ムカつく!”ってゆ『ちょ、ちょっと実咲!』
「ふがっ」
慌てて実咲の口を閉じたが遅かった。
「山本さんがそんなことを…」
『な、何よ。間違っちゃいないでしょ』
「どうかな」
…その意味深な発言はなんだ。
ま、という前に実咲が走って出てきた。
「お帰り、透子ちゃん。…藤臣君もいらっしゃい」
「こんにちは」
『ごちゃごちゃしてるけど、上がって』
「透子ちゃんひどい!お母さんちゃんと片付けたのに…」
『これは片付けたって言わない。“寄せた”って言うの』
階段の隅に実咲のオモチャが転がったりハンカチが落ちてたり…
お母さんは洗濯や料理は出来るがその他はオンチだ。
『ここ入って』
「お邪魔します」
とりあえず藤臣を居間に案内する(ここが一番綺麗だ)。
襖を閉めようとすると、実咲も入ってきた。
「山本みさきです!六才です!すきな食べ物はイチゴです!」
何その敬礼。どこで習ったのよ。
「藤臣棗です。よろしくね、実咲ちゃん」
得意の笑顔で自己紹介する藤臣。
その態度に機嫌を良くした実咲はゴキゲンに藤臣の隣に座った。
「みさき、ふじおみのこと知ってるよ」
「え?」
「とうこちゃんがいつも“何の苦労もしてないくせに!ムカつく!”ってゆ『ちょ、ちょっと実咲!』
「ふがっ」
慌てて実咲の口を閉じたが遅かった。
「山本さんがそんなことを…」
『な、何よ。間違っちゃいないでしょ』
「どうかな」
…その意味深な発言はなんだ。