恋の病
Daylife
何で人生ってうまくいかないんだろ。今日この頃嫌でも考えてしまう。
他の子達よりもあたしもっと老けていそう。ヤバイな。
思わず大きな溜め息一つ。背中まで丸まってるし。
はいた溜め息に心までモヤモヤしてる。やだなぁ。
国語の授業、カリカリとノートに書き込む音が響く、二時の教室。
不安定な天気ばかりの梅雨の時期に久しぶりに陽の光を眩しい程に感じる。
先生は源氏物語についての説明を黒板に書いては消し書いては消しを繰り返し、黒板に書かれたものを中途半端に書いたまま、あたしは残り十分足らずの授業を放棄して、ノート端の日付の横に小さい丸を塗り潰しながら、あたしの思考は三日前にいた。
「あの、橋下さん。ちょっと良い?」
「何?」
「放課後少し時間ある…?」
今日から三日前、図書室にあたしはクラスが一緒の今野君に呼び出されていた。
今野君は野球部に入ってて、無口であんまり喋ってるのをあたしは見たことがない。印象に残っているとしたら、真面目と無口ってことだけ。
でも別に怪しい人でもなさそうだし、もしかしたら告白かも‥と淡い期待をした彼氏いない歴年齢のあたしは、断る理由もなく一つ返事をした。