【短】せんせいってずるいひと



「困らせるって、分かってたんですけど、…でも、先生今日でこの学校いなくなるし…って思って…」


(いけない、いけない。立ち聞きは)


そう思っても、私の目指すゴミ捨て場の前で話しているもんだからどうしようもない。



「…俺も好きだよ」

「…え」


(………え)


「でも、」


──ああ。


「それは生徒としてだから。…ごめん」


(………。)


──なんて残酷な振り方。


「…はい。ありがとうございます…」


その女子生徒は、隠れていた私の前を気づかず泣きながら通りすぎて行った。


「………」


ザッ


(やば、先生こっち来…)

「…え」

(た…)

「…ど、どーも」




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