秘密なこと
「すごい…」ポツリと誰かが呟いた。


「うちのクラスに有名人がいたなんて…!しかも人ってメイクでここまで変われるんだね!」


「あ……怒ってないの?」

「「「何を〜?」」」クラスの子達の声がキレイにハモった。

ガタッと高橋君が立ち上がって私の元にやって来た。
「な?信じろって言ったろ?」頭を撫でられる。

「うん…ありがとう!!」私は笑顔でお礼を言った。

「お前…かわ「可愛い〜笑った〜♪」
高橋君の声にクラスの子の声が重なって最後まで聞こえなかった。


「ね、どっちが素顔なの?」


「あ…LIRの時がすっぴんで…」


「えー!?すっぴん!?見えな」
バンッと先生が黒板を叩く。


「盛り上がってる所悪いが…授業中だ。

それに、杉田。校則忘れてないだろうなぁ?」


「へ…?」


「はぁ…あとで校長室に行け。いいな?」



ここまで言われて思い出した。


―――――大事なこと、忘れてました。
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