屋敷の主
ルートスはジッと地面を見ながら、言った。
なかなか意地を張るな。
ジェイスはため息をつきながら、胸元にあったネクタイピンをルートスに握らせた。
「これで家が5つほど買える。譲ってくれるな?それとも、一生監獄に住みたいかな?」
一瞬ルートスの瞳から反抗的な色が見えたが、すぐに観念したようにネクタイピンを受け取った。
ジェイスは目の前にいたうるさい蝿をつぶしたような、妙な達成感に笑みがこぼれた。
笑ったのは何年ぶりだろうか。
「さぁ、私の婚約者はどこに住んでいるのかな」