屋敷の主

初めて会って、まだ数時間しか経ってない。

俺にしがみつく腕が細くて。

金髪がサラサラ風になびいて。

あの澄んだ青の瞳に見つめられたら。

「…頭がおかしくなったのか、俺は」

これが、恋というものか。

不意に鏡に目を向けた。
ジェイスは眼帯をした自分を見つめる。

こんな見苦しい傷を彼女は受け入れてくれるのか。

眼帯をはずした。
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