いつかどこかで…
逢いたかった人に手を引かれて…。何も考えてられなかった。


立ち止まった祐治…逢いたかった…。


『祐治…』

切ない顔して…私を見つめてる。

『あいつと付き合ってるのか?あいつは結婚してるぞ。理沙…何やってんだ。』

『私は祐治が好き…祐治だけなのに…』

『何で幸せになろうとしないんだ…俺じゃ…お前を幸せには出来ない』


抱き締めてくれないの?
祐治…。

あなたとたまに逢えたら…それで幸せなのに。

なぜ…それをわかってくれないの…。


『送るって言ったけど…嘘だ。悪いな。』


私を一人残して、彼は行ってしまった…。


あなたの中では完全に終わってるんだね。


一人…バス停に戻ると、力が抜けて…ベンチに座り込んでしまった。何台もバスが通り過ぎていく。


涙が滲んで…。一人嗚咽して泣いた。


『理沙…』

後ろから優しく肩に手を置いたのは…


謙吾だった。

後ろから抱きしめられて…人目も憚らず、泣いてしまった…。
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