【短】ひこーき雲
俺達は携帯を取り出して、アドレスを交換した。

そして再び歩き出し、3組の前まで着いてしまった。

「それじゃあ…」と言い、教室に入ろうとする彼女の腕をとっさにつかむ。

彼女は目を丸くした。


「あ、あの…俺、谷川大地っていいます。」


「……仲口綾です。」はい。知ってます。


「えっと…同い年なんだから、敬語…やめない?

俺のことは何でも好きに呼んでくれていいし。」


「あ、本当?じゃあ『谷川君』で。私のことは『綾』でいいから!!」


「わかった。『綾』ね。それじゃあ…また。」
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