僕は君のために口笛を吹く



俺が美月の元へ通い始めて三ヶ月程たった頃だろうか。



美月が、俺に大切な話があると言ってきた。
好きな人からの大切な話だなんて、俺はいつもよりワクワクしていた。



いつもの公園のベンチで、彼女は微笑んで言ったんだ。






「私ね、赤ちゃんができたの…!」







俺は言葉が出なかった。
不意に胸を突き刺されたような、
そんな感覚に陥った。






美月は公園の噴水を見つめながら続けた。



「相手の人とは、二ヶ月前から交際して
てね。私、ほら、ずっと怖がってたで
しょ?

でもね、貴方と出会って変われたの!
だからきっと、この子のことも…

愛せる筈だわ…!! 」




視線をまだ小さなお腹に移し、そう静かに、力強く言った。





「…貴方のお陰よ…?」





今度は俺の方をみて、言ったんだ。


俺は…

「…そっか…」

だめだ…

「…お前…」

笑えない…

「…頑張ったんだな…」

ちがう…!

「…俺も…」

ちがうんだ…!

「…嬉しいよ…!」

嬉しくなんかない…!



「…っ…おめでとう…美月…!」



嬉しくなんかない。
本心なんかじゃない。





「…貴方…泣いてるの…?」





その言葉にハッとした。
出会った時にも聞いた…。




「…うん。…嬉しくて…」




違うよ。





「ありがとう。」





優しさじゃない。





わがままなんだ。







君がスキだから…。






誰にも渡したくないから…。





ただをこねてる…。




それだけさ…。











でもね…


口にはださなくなったよ…?


君の笑顔を望むから…。


偉いでしょ…?


ちゃんと…“成長”したよ…。


−…美月…−!!!
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