隣の男はよく見える

駿くん?

何でこんな朝早く?


「おじゃまします。」


「駿くん、昨日のこと心配して来てくれたんだ。」



ああ・・そうだ。


駿くんの何とも言えない心配そうな顔を見て、

ちょっと申し訳ない気持ちになった。



「昨日、さくらが帰って来なかったから、
余計に駿くん心配してたんだからな。」



昨日の有也のことは、すでに静にも筒抜けだろう。



「駿くん適当に座って待ってて。」


静が出かけようとした。


「静、どこ行くの?」

「コンビニ。ここの冷蔵庫は、
いつも何も入ってないからさ~。
俺が入れて置いても全部さくらが食べちゃうし。」


ははは・・・その通り・・・。



静が出掛けると何だか駿くんと二人・・・


すっごく気まずい感じ・・・




「ごめんね。昨日は・・・。」

「いえ、さくらさんが無事でよかったです。」


無事・・・ね。


どうだか・・・。



「本とごめんね。」


なんていい子なんだろう。


そう思ったのも・・・束の間



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