隣の男はよく見える
「本とにどうかしてるわ・・・私。」
いい印象一つもなかったやつなのに、微笑み一つで全部チャラだもん・・・
「だけど、何がきっかけか分んないし~。」
自分でそう言ってみて
「そうだそうだ。」
と自分で納得?
「小暮くんね。同い年ぐらいかな?
もしかして私に気があるんじゃないの?」
自分で言って自分で照れる。
まさか・・
あ~、でも、そうゆうのもあり?
都合のいい妄想してたら隣のビルの前。
「はて?何しに来たんだっけ?・・・
あ、そうだ・・切手」
隣のビルは、1階がカフェで2階に郵便局、3階から上が予備校になっている。
2階の郵便局――
階段あるけど・・・
疲れるからエレベーター使っちゃう。
「行ったばかりか・・。」
上って行くエレベーターの番号を見上げて上りのボタンを押そうとしたら・・・
後から来た人・・・指がぶつかった。
「あ・・すみません。」
慌てて手を離し・・・
隣のその人を・・・見た。
「あ!」
今日は・・・エレベーターの日?