姫は王子の隣で
ガチャ

視聴覚室のドアを開けるとやっぱり誰もいなかった。

「やっぱ雅いないか」

「雅って?」

「私の親友かな」

「おとなしそうな子じゃ、ないね…」

「そう。おとなしそうな名前してるくせにやることはおとなしくないんだ」

「……」

そう言いながら私はマイクのスイッチを入れた。

「皆さん、野崎雅がお食事の邪魔をして申し訳ございませんでした。
雅、今すぐここ来ないと縁切るよ」

そう言ってスイッチを切る。
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