響け、空に―
第十一話

何を、勘違いしていたんだろうか。


「はあ、はあ、はあ…」

病院に入り、美咲さんの姿を探す。


「笑美子ちゃん‼」

声がした方を向くと、美咲さんの姿があった。慌てて駆け寄る。


「美咲さん‼孝は…」


「今朝、いつも通りに起きてきたんだけど、一度部屋に戻ったらなかなか戻ってこなくて…

様子を見に行ったら…た、倒れてて…」


「美咲さん、落ち着いて‼」

美咲さんの手を握ると、恐ろしく冷たかった。


「高木‼」


「笑美ちゃん‼」


「皆…」

今日が日曜日だからか、クラスメイト達がぞくぞくと病院に駆けつけてくれた。


「まだ三日たってねぇじゃんかよ…」


「…三日っていうのは目安で、多少のズレはある…

でも私は、私達は、そのズレを良い方向にしか考えなかったんだ…‼」


「孝君…」

皆が祈るように手を組む。


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