響け、空に―

集中治療室の扉が開き、中から医師が出てきた。


「先生…‼」


「…最後に、顔を見てあげてください。」


「………‼」

美咲さんが孝の元に走る。


私達もそれに続いた。

「孝…孝‼」

ピ…ピ…


感覚を開けて、心電図に波が打つ。


《心臓の動きが…弱い…》


私は孝の手を力強く握った。

「孝、起きて…?皆来てくれてるよ?」


「孝…」


「孝君…」

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