響け、空に―

………一つだけ、頼みがある。

お前が結婚する時には俺のお袋を招待してやってくれ。

あ、あと、好きになった奴の名前を俺に聞こえるくらい大きな声で叫んでくれ。


二つになっちまったな。この二つが、俺から笑美子への、最後のお願いだ。


じゃあな‼笑えよ‼

あ、叫ぶのは名前だぞ、名前‼』



「本当にお節介なんだから…」

涙があふれてくる。


孝は本当に勘がいい。私には好きな人ができた。それは入江君…


でも、入江君は孝の親友だったし、孝に対する罪悪感から気持ちを押し殺していた。


孝は、そんなふうになる私を見越して、この手紙を書いたんだろう。


《でもやっぱり…》


そんなことを思っていると、手に持っていた封筒からメモが落ちてきた。


拾ってみると…


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