響け、空に―

孝side

俺は笑美子が帰った後、ずっと起きていた。

ベッドの上で考えごとをしていたんだ。


笑美子が帰りがけに言った

『また明日』という言葉…

「俺に…明日なんてあるのかな…」
小さく呟く。


お袋と医者は必死に隠そうとしてる。

俺がどんなに重い病気かを。


でも俺は薄々感じているんだ。

そう長くない命だってことを……。



…中学の時、よく「命をかけてもやってやる!!」とかふざけて言ってたな……。


今はもう…言えねぇや。
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