響け、空に―
少しだけ残して、「ごちそうさま」と言った。

「もうよろしいんですか?」

お手伝いさんが心配そうに見る。


「うん。お腹いっぱい」

席を立ってお手伝いさんの横に立ち、小声で

「こんな家、やめてもいいのよ?」

と言った。


お手伝いさんは驚いた様子だったがすぐに笑って

「お二人が心配ですから。」

と小声で返してくれた。


「何こそこそ話してんのよ!!」

母がこちらをキッとにらんでくる。


「何でもないです。行ってきます。」

慌ててカバンを持ち、家を出ようとすると


「待ちなさい!!」

と母が言った。

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