【COLORS②】僕の彼女はお姫様
平凡な日常──
黙っていても時間は容赦なく過ぎて、
みんな、
ふつーに歳とってゆく。
そして……
ふつーに死んでいくんだろうな。
「ただいま」
その声に反応する者もなく、家の中はひっそりと静まり返っている。
両親は共働きだから、俺は小学生の頃から鍵っ子だった。
鍵っ子歴で言ったら、かなりなベテランかもな。
「彩ねーもまだか」
俺には三つ上の姉貴がいる。階段の電気も全くついてないところを見ると、彼女も帰ってきてないようである。
ガタ---------ン!!!!!
なっ、なんだ今の音は?!
二階からはっきりと聞こえた何かが落ちたような物音。
しかも一瞬、家揺れたよな、確実に。
今のとこ俺しかいない、この家ん中で音がしたってことは、
もしかして、
『泥棒』!?