愛を知るまで離さない
「では僕の白衣を貸してあげるからそれ着て実験してね」
「はぁい!先生のだ、うれしぃ!あ、先生の匂いするぅ」
ハチミツ並の甘ったるい声色出して、胸も強調させて先生の白衣を笑顔で受け取る。
あ、まただ。
この心の奥から込み上げてくる私の中の暗くてドロドロしたものが浮かんでくる感じ。
内心そう感じながらも白衣に袖を通して面倒くさそうに手元の試験管を手にとる。
面倒くさい、面倒くさい、面倒くさい。
なんであんなギャルにも微笑むのか意味分かんない。
本当…ムカつく。
へらへらし過ぎなんだよ。
なのに、眼鏡の奥の瞳は私を捕らえて仕方ない。