ねえ…微香性恋愛、しよ?
「…


…ねえママ、しばらく、翔と二人きりにさせてくれない?」

「えっ…なぜ?ママ、まだまあちゃんが心配で…」

ママは、それには応じたくない様だった。本当に私の側にいたかったのだろう。
だが、私が翔と二人きりでどうしても話がしたいという事を言い続けると、ついに折れた。

「…わ、分かったわ。じゃあ、受付のロビーで、パパが来るのを待ってるから。じゃあ、翔君、まあちゃんをお願いね。」



「…話って、何?真白。」

「…びっくりしたでしょ、いきなり私が気を失って倒れたから。」

「ああ。」

「でもそれはね、ある、忌まわしい記憶が甦ってきたからなの。あの新聞のせいで。
…あの新聞、まだ持っている?」

「えっ、ああ、ここに…」

「じゃあ、少し見にくいかもしれないけれど、番組表の裏側…そうね、丁度右下にある記事を見てくれないかしら。
私が鼻をクンクンさせる癖も、そこから始まった…」

翔は、私に言われるままにその記事に目をやった。
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