ねえ…微香性恋愛、しよ?
「ああーっ、泣いちゃ駄目、駄目駄目!女の子はいつでも、笑ってなくちゃいけないのぉ。
めっ!泣く子はめっ、だからね。


…泣かないって約束するなら、おじちゃん、いいものあげるよ。」

-そう言って、そのおじさんは、その部屋から出て行った。
もちろん、その間に私が逃げ出さないように、私に脅しをかけたわ。-

「逃げたら…」

-ガアン!-

「めっ!…だからね。」


-派手に蹴飛ばされて、足の折れた椅子から目を背ける事が出来ないぐらいにまで、私は恐怖でがんじからめにされていたわ。
そしてほどなく、そのおじさんが戻ってきて、私にある物をくれた。-

「赤い…袋?」

「そうだよ、き~っと、お嬢ちゃんが気に入ってくれると思って、持ってきたんだよ。『麝香の匂い袋』さ。
ささ、さあ、クンクンかいでごらん。
おっと!そんなに鼻を近づけちゃきつすぎるよ。
…そうそう、そ~っとかいでごらん?甘~い、良い匂いがするでしょ?」
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