意地悪てぃーちゃー
体育館に入ると、何人かの生徒会メンバーが来ていて、各自準備に取り掛かっていた。
うちも、準備に取り掛かった。


ある程度、準備が終わると井澤の集合がかかった。


「準備おつかれさん。今から、花束渡す先生の名前言うから聞いとけよ~。」


そう言うと、一人一人に渡す人の名前を言うていった。
うちはもう一度深呼吸をして、自分を落ち着かせた。


しばらくすると、体育間にはゾロゾロと生徒や先生達が入って来た。
そして、全員が入り終わった。

いよいよ、離任式が始まった。
離任する先生が入って来て、前のステージに並んだ。


うちの目は、1番に高橋ちゃんの姿を見つけた。
一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされた。


ステージ上の先生達の挨拶が始まった。
うちはそれを聞きながらも、自分を落ち着けるのに精一杯やった。
それに気付いた井澤が、こっちにやって来た


「心?大丈夫か。」


「大丈夫。ちょい緊張してるだけやから。」


「あんま無理すんなよ?」


井澤はそれだけ言うと、自分の場所に戻っていった。
離任する先生の挨拶は、いよいよ高橋ちゃんの番になっていた。


当たり障りのない、ありきたりな挨拶やった。
ただ、それを言ってる高橋ちゃんの表情は寂しそうやった。



そして、いよいようちの挨拶の番が回って来た。
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