意地悪てぃーちゃー
手紙を読み終わった後、涙が止まらんかった。

高橋ちゃん…
本間に勝手すぎるよ。


こんな手紙残して、忘れれるわけないやん。


「心?泣くな。」


うちが顔をあげると、そこには井澤が立っていた。

いつからそこに居ったんかはわからんけど、何かを察したようやった。


「手紙読んだか?高橋、泣いてた。心を頼むって何回も言いながら…。」


「…っく……先生…。」


うちはどうしたらいい?
高橋ちゃん…。


「思いっきり泣け。泣き止むまで、ずっと俺がそばに居るから…。」


うちは、声をあげて泣いた。
高橋ちゃんへの想いを、涙と一緒に流すように。


しばらくして、だいぶ落ち着いた。


「おっ。落ち着いたか?本間心は泣き虫やなぁ。」


「泣き虫ちゃうし。」


もう、いつものように笑っていた。


「おっ。いつもの心に戻ったな。」


「うん。先生ありがとう。」


「心がそんなん言うたら、調子狂うわぁ~。明日雪でも降るんちゃう?」


井澤のそんな不器用な優しさに、ココロが暖かくなった。


「降らんわ。失礼な奴め。先生のばーか。」


そんな事を言いながら、二人で笑いあって居た。
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