意地悪てぃーちゃー
「なぁ…

一体二人は何を隠してるん?


教頭が言うてた生徒って、うちのコト?」



うちの質問に、井澤が口を開いた。


「心。
お前は受験のコトだけ見とけ。
何にも気にするコト無い。

俺も荒木ちゃんも大丈夫やから…。」


「そんなんで納得出来るワケ無いやん!!


なぁ…何があったん?
うちの知らん所で、何が起きてるん?」


納得出来るワケ無い。
うちだけ知らんぷりなんて出来ひんよ…

井澤は黙ったままで、今度は荒木ちゃんが喋り始めた。


「北沢ぁ?
確かに今起きてるコトには、北沢にも関係はある。

でもな…
頼むから今は受験に専念してくれ。
お前が合格してから、全部話すから…


北沢の気持ちもわかる。
やけど井澤先生も俺も、お前には大事な受験の時によそ見して欲しない。」


なんも言えんかった。
荒木ちゃんが今にも泣きそうやったから。

そして…


うちの事を1番に考えてくれてるのが、身に染みてわかったから。


「わかった。
合格したら…受験が終わったら、教えてくれる?」


「おう…そん時は話す。


やから今は推薦入試のコトだけを考えてて。」


うちは荒木ちゃんと井澤の顔を見て、笑顔で頷いた。
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