私のくまさん。
問題の先生が来たときはあまり好んではいなかった。


『坂本雄也です。担当は主に数学、時々体育です。よろしくお願いします…。』


始めの印象は『なにこの先生。身長大きすぎない?』


でも半年を過ぎてから先生を見る目線が違っていった…


【ただ身長が大きいカタブツの数学教師】


じゃなくて。


【私の大好きな先生】に…


先生は私の事を『田中』って呼ぶ。私は先生の事を『先生』って呼ぶ。


それは先生と生徒の関係では普通で当たり前な事。


たとえ、先生は私の好きな人が自分だって分かっていても…。


だけど私はそんな関係じゃなくて、恋人という関係になりたかった。


その気持ちは今でも同じ。


集会の時、先生をすぐ見つけられたり。


体育をやっている先生を見つけてはぁ…とため息をついたり。


数学の時間、先生に教科書でぶたれた後、『ボヤッとしてんな田中ぁっ!』


って笑って怒られたり。


時には、屋上で、寂しげに涙を流している先生を見つけちゃったり…。


そんな時間を私の頭の中の、先生ボックスに大切に…大切に刻み込んでる自分がいる。
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