ストロベリー革命
「学園をぐるぐるっと一周してましたー」

「ぐるぐるっとって一周じゃないし……って!! そうじゃなくて、天花学園辞めるって本当!?」

「……ホントだよ」

 直の質問から一呼吸おいて天花は答える。

「なんでっ!? 俺が辞めるって言ったじゃん!」

「悩んだ末の結論なんだよぅー」

「バカぁああ―――ッ!! そんな子に育てた覚えはなーいっ!!」

「あのー、……育てられた覚えも……そのー、ないかもしれないっすよー」

「うるさいバーカバーカッ!! とにかく天花は辞める事ないの! ……俺の問題だから」

 直は後ろを向いて校舎の中へ入って行く。

「どうして? それってあたしには関係ないって事?」

 天花の質問に直は振り返って一言答える。

「そうだよ」

 この答えが、温厚で争い事を嫌う天花を豹変させる引きがねとなった。

「なんだよーそれ……バカはどっちだ、このバカち―――んッ!!」

 その辺に転がっていたテニスボールを、天花は直の後頭部めがけて投げた。

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