ストロベリー革命
 テニスボールは狙い通り直の頭に直撃し、直は後頭部を手で擦る。

「いったーい!! 何すんだ!」

「あたしは関係ないって嘘ばっか……。関係あるもんっ。あたしにバレなかったら、こんな事にもならなかったでしょー! このわからずやっ!!」

 天花の顔からは完全に笑顔が消えた。怒りに満ちた表情のみ。

 その様子に気付いた直は、天花のそばへ近づいた。

「ごめん……。でもっ」

「でも何っ!? あたしでもの続きなんか聞かないからね!」

 いつもふわふわしたマシュマロのような感じの天花が、珍しく怒っている。

 というか、キレていると言ってもおかしくない。

「……ホントの事言ったら俺だって辞めたくないし、天花にも辞めてほしくないよ。だけど悪い事してるのは俺だから、俺が学園を出てく」

「直は女装して女子校に通う事が悪い事だと思ってるの?」

「そりゃ、普通はダメじゃん」

「普通じゃなくたっていいんだよー。よし、わかった。二人で学園にいられるように、あたしが理事長に直談判するよ!」

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