ストロベリー革命
 予想外の展開にその場で固まっている天花と直。

「おおー!! やったね直。理事長話聞いてくれたよー」

「……うん」

 せっかく学園を出て行かずにすんだというのに、直の顔に笑顔はない。

「なんだよぅー、嬉しくないのー?」

「嬉しいけどっ……」

「んもー!! 嬉しい時はこうやって笑うの。わかったー?」

 曇った表情をしている直のほっぺたを、天花は引っ張った。

 口の両端を上げて、無理矢理笑顔にしようとする。

「いい、いだいよっ!!」

「直はあたしがいないと何も出来ないのね」

「うるさーい!! 天花なんかいなくても俺は何でも出来るもん!」

 天花は直の怒っている顔を見て笑う。

「な、何が可笑しいんだよっ! あ、無断で自分の部屋以外で寝るのは禁止されてんだよ。規則を破った奴はこれから毎日トイレ掃除だからね」

「ぇえええっ!? うっそだー!!」

「嘘に決まってるじゃん。バカじゃないの?」

 ベーッと可愛らしく舌を出して、直は一人校舎の中に戻って行く。

「嘘つくなぁ―――!!」

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