ストロベリー革命
「でもちゃんと生きてるんだよー。あたし人間も虫も一緒だと思う。……それより、どうして直は女の子の格好で生活出来るの!? 都会の学校はそんな事許してくれるの?」

 天花は一番気になっていた事を聞いてみた。

 田舎の学校で、性別を偽って生活している子など聞いた事ないし、見た事もない。

 都会にはいろんな人がいるんだなー、と勉強になったくらいだ。

「俺の母さん、この学園の理事長だから……、特別に入れてもらえた。……でも誰かにバレたら出て行くって条件で……、だから絶対秘密っ!! 俺、誰に何を言われてもこの格好やめたくないの!」

「オッケー、天花にまかせてっ!! 誰にも言わないよ! せっかく仲良くなれたのに直がいなくなったら、あたし寂しいからねー」

 天花は笑いながら言うが、直は全然笑えない。

 まず最初に、天花の“まかせてっ!!”が実に不安だ。

 うっかり口を滑らせる可能性、七十五パーセント。

 そして何より、最後の一言が決定的である。

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