ストロベリー革命
『月若葉』と書いてある表札の前までやって来た。

「ゆかりー」

 コンコンとドアを二回ほどノックする。

「あら珍しい。どうなされたの天花さん?」

「明日あたし、ステフのお掃除セット買いに行くんだけど、一人で電車に乗れないから一緒に行こうよー?」

「ごめんなさい。私移動は全て車ですの。一人で電車に乗ったらお父様に怒られますわ」

 やはり正真正銘のお嬢様は一味も二味も違う。

 期待はあまりしていなかったが、まさかここまでとは……。

「そっかぁー。じゃあどうしようかなー」

 希望の星も一つ潰れ、振り出しに戻ってしまった。

 しょうがないので、天花はUターンして自分の部屋に帰る事にする。

 天花達の部屋は二階のため、階段を降りて行った。

 部屋に戻ると、

「あ、おかえりー虫女。部屋に虫連れ込んだら、ここから追い出すからねー」

 直があぐらをかいて出迎えてくれた。

 いつものお嬢様はどこへいったのか、完全に素が出ている。

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