白い約束
『はい。私…、いろいろ思い出せないこと…多いから。せめて、通っていた大学は卒業していたいなって思って。過去の自分にしてあげれることって、それくらいしかないし。多分、中途半端な気持ちで学校入ったんじゃないと思うから。』



両親は目を合わせて、頷いた。



『多希…、また…神戸に戻りたいのか?』



父親は言った。



『ううん。学校はこっちで探すつもり。あ…、お父さん、お母さんが許してくれたら、だけど…。』



『許すもなにも、あなたの人生なんだから、そう決めたならそうしなさい。ねぇ、お父さん?』
< 213 / 450 >

この作品をシェア

pagetop