4 X’mas story
しばらくして、銃声が聞こえなくなると、涙がこぼれてきた。

さっきまで5つあった炎は、4つになり、かすかな風に、それらが揺れていた。

そこに、足に包帯を巻かれた1羽の白い鳥がやってきて、なぜか私に寄り添うように、羽を休めていた。

「たぶん、もしあのときトーマスが撃たれていたら、俺たち全員、船が走り出せず、逃げ切れずにつかまっていたと思うんだ」

クリスが、いつになく優しい声で、夜に語りかけるように話した。

私はこうして、クリスの傍にいられることを卑しくも、幸せだと感じざるを得なかった。
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