翼を失くした天使の羽音
「あなたは……誰?」


弱々しい声で、サラが言った。


その瞳には、間違いなく俺が映っていた。



記憶障害。



サラの記憶から、俺との思い出が消えた。




何度、お見舞いに行っても。



「ごめん……」



何度、謝っても……。




サラにとって俺は、見知らぬ人に変わりなかった。




「サラが苦しんでる……もう会いには来ないでくれないか……頼む」




高山さんの言う通りだと思った。




俺は、サラとの恋を諦める事にした――。




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