空と海(仮)

「誰がハゲや。何で大阪なまりやねん。」

「十円ハゲ作ったろか」

「円形脱毛症言うんや、知らんのか?」

「そんぐらい知っとる」

ギャーギャーと二人は騒いでいた。

「相変わらず仲良いね」

雪が冷静に言うと二人は照れていた。

「付き合っちゃえばいいのにね」

「あんたもね…」

「いや、なんで」

「私に付きまとわなくなるだろうから」

「ひどーい。」

クスクスと雪は隣で笑っていた。

その横を車が通る。

先生の車じゃない。

「でっかい車」

「リムジンじゃん」

黒くて太陽の光を跳ね返す大きな車。

「海様、お手を」

中から手を借りて降りてきた。

「めっちゃキレイ…」

茶色のクルっと巻いた髪。

キレイな瞳。

透き通るような肌。

頬は赤くて可愛らしい。

女でも見とれてしまう。

「空、行くわよ」

「あ、うん」

彼女が小峰財閥の娘。

小峰海。

クラスが違ってあまり知らなかったけど、本当にキレイな人。

これから、新しい一年が始まるんだ。

< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop