空と海(仮)
一学期

春うらら


春の柔らかい日差しの中で校長先生の話しを聞く。

クラスのメンバーはクラス数が少ないのもあってほとんど変わらなかった。

晋ちゃんも雪も希ちゃんも潤君も玲君も同じクラスでひと安心。

もっとも、先生はハズレだと思った。

そして、小峰さんと同じクラス。

中学から一組にずっといたのに、いきなり二組。

窓から見える桜の木。

ヒラヒラ舞って地面に落ちてく。

はかないもんだと思った。

だけど、一瞬すら懸命に咲き誇ってる。


「退場するよ、空っち。」

ポンポンと玲君に肩を叩かれた。

「あ、うん」

慌て前についていった。

「ボーッとして何考えてたの?」

「桜見てた。」

「校長が話してんのに何してんの」

私は苦笑い。

「そーちゃんは、しーちゃんなの!」

晋ちゃんを引き連れて希ちゃんが間から割って来た。

「意味わかんねーよ」

たんたんと晋ちゃんは言った。

「騒がしいわ、ボケ」

雪にペシと叩かれた。

「あのね、花見したい」

希ちゃんはキラキラした表情でみんなに訴えた。


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