オルゴール


姉は一週間ほど前から行方不明だった。


一週間前、姉は初めて無断で帰ってこなかった。

私はメールしたり、電話をしてみたり、友達に聞いて回ってみたりしたけれど、姉の居場所は全くわからなかった。


嫌な予感がした。


近所の人にも聞いて回ったけれど、その証言は全て私のことだった。

何しろ、同じ顔なのだから。

近所の人には区別もつかないくらい似ていたから。


そうなるともう、心配症の親は警察に捜索依頼をした。


そして姉が消えてから五日目……私の意識がプツリと途絶えたのだ。


双子と言うものは本当に不思議なもので、私の意識が戻ると同時に、姉は見つかった。

姉は少し遠い山小屋の中で倒れていたらしい。

その時にはもう……。


おそらく、私の意識が途絶えた瞬間が、姉の最期と同時刻だったのだと思う。

姉のすぐ近くには、蓋が壊れたオルゴールが落ちていた。
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