たったひとりの王子様 [完]


…それって、なんか。


すごい、悲しいことじゃない?




時計の音で、はっと我にかえる。


とりあえず落ち着こう。


今、あたしは被害者なんだから。


元凶のことなんか、どうでもいいはずなんだから。


――――――
――――


いそいで着替えてリビングに向かう。


電気もつけないでソファに座ってる由宇。


…なんだか、その背中が小さく見えた。



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