彼の二番目。
もちろん、『分かった』の意味が分からない訳じゃない。

圭の考えが分からない。

確かに、私が圭に“好き”って伝えたけど思いだけ伝えたかっただけだし、諦めたかった。

それは、圭に“彼女”がいるからなのに…。

なのに、圭は『分かった』と答えた。

………何で?


「………圭っ」

迷惑そうに私を見る圭。

「何?」

冷たい口調。

だけど、圭の本当の気持ちが知りたいの。

「何で?」
消えそうな声で、そう言えば、
「何が?」
と冷たく返されてしまった。

「…何で、分かったって言ったの?」
と、私が聞けば圭は頭を掻きめんどくさそうな顔で私を見る。

「嫌なの?自分から告ったのに?」

どんなに言葉を発しても冷たい声。
それどころか次第に冷たくなっていく。

私は、慌てて首を振った。

「嫌じゃないっ!!だけど、…圭には彼女がいるし」
と、私が言うとまた溜め息が聞こえた。

「面倒なんだよ、そう言うの」

確かに、ハッキリと聞こえたその言葉。

だけど、それでも嫌いになれない自分が憎い。

少しキツく圭を見れば圭は再び口を開いた。

「面倒なんだよ。フッたらフッたで泣いたりとかすんだろ?」

「泣かない」

絶対とは言い切れないけど圭の前では泣かない。

「…あっそ。でも、芽依の事フッたら面倒になりそうだし」
その意味は分からなくもない。

「浮気バレたほうが面倒じゃない?」

「そしたら、別れる」

圭らしい答え。

「そんくらい分かるだろ?俺が面倒な事嫌いってことくらい。幼なじみなんだからさ」

そう、私と圭は“幼なじみ”。

圭は面倒ってこともあると思うけど、幼なじみの私をフッたら気まずくなったりとか余計に面倒だから私と付き合うほうを選んだんだ。

それくらい分かれよ、自分。

「ごめん…」
そう言い、圭の腕を掴んだ。

「…じゃ、俺、玲と帰るから。じゃーな」
と言い、圭はすぐに立ち去ってしまった。

チクンッ
と心が少し痛む。

分かってるのに、そんなこと最初から。

玲(レイ)とは、圭の彼女だ。
最近、付き合い始めたらしく二人はラブラブらしい。
私の入る隙間なんか無いくらいに。

たとえ、私が浮気相手だとしても。
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