背番号10番の後ろ姿
ジャージに着替え、ゴール前に立った。周りのサッカー部員達はコートの外にでて見ていた。
大丈夫。ちゃんと打てる。
ちゃんとした蹴りをあいつが教えてくれたから。
ピーッ!
笛が鳴った。私は大きく足をあげて
バンッ
と、昔と同じように蹴った。
強烈に大きいシュートだった。ボールはトントンと戻ってきた。サッカー部員達と美香は私に拍手をした。
「ハァッ…」
髪をバサッとゆらせ、監督の方に向かってこう言った。
「マネージャー、決定ですよね?」
「…ぁ、ああ」
監督は目をパチクリさせながら言った。
ニカッと笑い、美香と笑い合った。
…今日からサッカー部のマネージャーになりました!
大好きなサッカーに近づくことができた…嬉しい…!
…ザアッ
「…あの蹴り…もしかして…!」
私は考えてもいなかった。
あいつに会えることなんて…