出席番号1番


【模試2】(瑛斗視線)


「っつーことは、模試で偏差値を上げるには日ごろの勉強が必要だってことだな」

「そうね。別に模試に限ったことじゃないけど。」


うん、それはわかる。
バスケだってそうだし。

生まれつきの才能もあるかもしれないけど、最後は努力がものを言う。
何においても当たり前のことだ。


「紗良、過去問解いたんだろ?」

「もちろん」

「どうだった?」

「満点だった」

「・・・・・え?」

「全教科」

「まじっすか」


あいた口がふさがらないってこの事か。

その上、この鬼才はとんでもないことを言いだす。


「大体、模試なんて基本問題しか出ないんだから日ごろから勉強してたら間違えることなんて滅多にないでしょ。間違える方がどうかしてるのよ」

「・・・・・・」

「何?」

「紗良さん」

「何よ」

「それ言えるの日本で紗良ぐらいだわ」


間違いなく。
自信持って言える。

それは紗良だけだ。


この鬼才に敵う鬼才はいんのか?




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