出席番号1番
【期末テスト勉強4】(瑛斗視線)
「あ、言っておくけど80点以上取らなかったら許さないから」
「え、…ちょキツ……」
「私が教えてるんだから、それくらい当たり前でしょ。ただでさえ問題が簡単なのに」
紗良が言ってるのは自分にとってテスト問題は簡単すぎる、ということじゃない。
紗良のクラスと俺のクラスではテストの問題が違う。
紗良のクラスは馬鹿みたいに難しくて、俺のクラスを含む体力馬鹿クラスは馬鹿みたいに簡単な問題が出る。学力に差があるから当然のことだ。
それでも赤点取るから俺は相当っていうか救いがない馬鹿だけど、紗良はそんな難しいのに前の中間の平均は99点という快挙をたたき出す。
まぁ、紗良にとっては簡単って意味で捉えても間違いじゃない気がするけど。
「平均80。切ったら…」
「……切ったら?」
紗良の顔を見つめる。
「……逆にする。」
「え?」
「平均80以上だったら、今度瑛斗の試合見に行く」
「え?」
「不満?」
「……い、いや!全然!めっちゃ嬉しい!来てほしい!差し入れ付きで!」
「………それは気が向いたらね」
紗良が試合を見に来てくれる。俺が1番好きなバスケの時間を紗良と一緒にできる。もしかしたら紗良の差し入れも食べれちゃうかもしれない。
「おっし、頑張る!」
そう言ったら紗良は優しく、笑った。
最初は嫌がってたけど何だかんだで俺の勉強を見てくれている。
人に教えることが1番の勉強っていうけど紗良は頭良すぎだからそんなの必要ない。
紗良にメリットはないのに、こうやって時間を割いてくれている。
本当は参考書読むんじゃなくてちゃんと机に向かって勉強したいはずなのに俺に付き合ってくれている。
こういうところが、
好きだな
って ……思う。