出席番号1番

【2=1】(紗良視線)


「紗良ーちょおコレ見て」

「何」



瑛斗が見せたのは一枚の紙。

その紙には方程式が書いてあった。


「何?」

「2って1なんだな!」

「は?」


2が1?

あまりに屈託のない笑顔で言うから、ついに馬鹿が末期になったかと思い、全力で眉間に皺を寄せた。


「いやいや、これ見て」

差し出した紙に書いてある方程式をよく見る。


a=b
a+a=b+a
2a=a+b
2a-2b=a+b-2b
2(a-b)=a+b-2b
2(a-b)=a-b
2=1



「……………。」



最早、絶句以外何もない。


「な!?2は1だろ?2=1!大発明だろこれ~今までの常識を覆す!」


得意顔で言う馬鹿を精一杯の哀れみを込めて見つめた。

そもそも この方程式だって自分でひらめいたものじゃないだろうに。



「………そこの馬鹿」

「は?え?何で?」

「よく聞いて、残り少ない脳細胞で頑張って理解してよ」


説明をする前にため息をついた。


「数学では0で割ることを許すと、おかしなことが起こるから0で割ってはいけないのが大原則なの」

「はあ、」


……わかってんの? コイツ…



「ここ、ちゃんと見て」

6行目の左辺を指さした。

瑛斗は馬鹿そうな理解してない表情だけど もういい。


「(a-b)はa=bだから0。つまり、2(a-b)=a-b。0=0。よって2=1じゃない」

「はい?」


やっぱりわかってないな…


「だから、最初にa=bって言ってるでしょ?」

「おお」

「aからb引いたら必ず0でしょ」

「ああ!」

「だから2=1じゃない。本当は0=0。6行目が間違ってるの」


「なるほどー」


馬鹿なりに理解できたか…


「つまり、2は1じゃないっつーことだな!」


………わかってないな、この馬鹿


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