出席番号1番
【兄弟】(瑛斗視線)
街で道を聞かれて案内をした、という経験は何度かある。
知らない人とはいえ、困ってるときはお互い様だ。
だから、昼間からカップルにラブホテルの場所を聞かれようが「昼間からよくやるなぁ」と思いつつも知ってる範囲でなら答えると思う。
でも、
「あー、そこのおにーさん。ちょっとー、相藤紗良ってどこにいますかー?」
朝学校に来たら、生徒玄関で
金にハイライトがたくさん入った少し長めで盛りに盛った髪に、馬鹿校として有名な高校の制服をこれでもかと着崩して、ピアスが5つ開いていてポケットに手を突っ込んだままの男に「紗良知ってる?」なんて言われたら、
いくら俺でも言葉を失う。
「おにーさーん、聞いてる?」
顔は整ってるし、長身でスタイルいい。こいつモデルか?と一瞬思ったけど見たことはない。
つーか、あれだ。
某有名V系バンドのボーカルに似てる。
「…あんた紗良に何の用?」
こんな奴が紗良と知り合いっておかしいだろ?
だって見るからに馬鹿そうだし。いや人のこと言えないけど。
「あ、おにーさん、姉ちゃんと知り合いっすか?」
はあ!?
心の中で叫んだつもりが、そのまま声に出ていた。
いやいやいやいや、…姉ちゃん?
無いだろ、 ウン。
ないないない。
紗良の弟? これが?
何かもう馬鹿丸出しの奴が?
なわけねーって
「何やってるの、瑛斗」
「あ、紗良。調度いいとこに!こいつがさ~」
紗良の弟とか言うんだけど、んなわけねぇよな~と言おうとしたら紗良がそれを遮った。
「誠也」
「姉ちゃん、さっきぶり~」
「はいはい、それよりも」
「はい、弁当。もう忘れんなよー」
「うん、ありがとう助かった」
「どーしたしまして」
う
そ
だ ろ?
遺伝子どうなってんだ!?