出席番号1番


【兄弟】(瑛斗視線)


街で道を聞かれて案内をした、という経験は何度かある。

知らない人とはいえ、困ってるときはお互い様だ。
だから、昼間からカップルにラブホテルの場所を聞かれようが「昼間からよくやるなぁ」と思いつつも知ってる範囲でなら答えると思う。


でも、


「あー、そこのおにーさん。ちょっとー、相藤紗良ってどこにいますかー?」


朝学校に来たら、生徒玄関で
金にハイライトがたくさん入った少し長めで盛りに盛った髪に、馬鹿校として有名な高校の制服をこれでもかと着崩して、ピアスが5つ開いていてポケットに手を突っ込んだままの男に「紗良知ってる?」なんて言われたら、

いくら俺でも言葉を失う。



「おにーさーん、聞いてる?」



顔は整ってるし、長身でスタイルいい。こいつモデルか?と一瞬思ったけど見たことはない。

つーか、あれだ。
某有名V系バンドのボーカルに似てる。



「…あんた紗良に何の用?」



こんな奴が紗良と知り合いっておかしいだろ?

だって見るからに馬鹿そうだし。いや人のこと言えないけど。



「あ、おにーさん、姉ちゃんと知り合いっすか?」



はあ!?


心の中で叫んだつもりが、そのまま声に出ていた。



いやいやいやいや、…姉ちゃん?

無いだろ、 ウン。

ないないない。

紗良の弟? これが?

何かもう馬鹿丸出しの奴が?

なわけねーって



「何やってるの、瑛斗」


「あ、紗良。調度いいとこに!こいつがさ~」


紗良の弟とか言うんだけど、んなわけねぇよな~と言おうとしたら紗良がそれを遮った。


「誠也」

「姉ちゃん、さっきぶり~」

「はいはい、それよりも」

「はい、弁当。もう忘れんなよー」

「うん、ありがとう助かった」

「どーしたしまして」






だ ろ?


遺伝子どうなってんだ!?


< 36 / 37 >

この作品をシェア

pagetop