わがまま娘の葛藤。


またまた大雑把ですが、――時は過ぎて、夜。

大広間にて夕食という名の宴会。
どこに行っても結局飲むんだ…
本当に好きだな、この人達。


礼の隣をちゃっかりキープしてる蘭さん。(と、それに纏わり付く遠藤先輩)

なんとなく…近づけなくて。
てか気まずくて、少し離れた別の席で過ごしていた。

――なんか、やだなぁ。
ただでさえ、礼とギクシャクしてるのに、蘭さんは超プッシュかけてるし。

“礼のこと、返してもらうね”

あの言葉が蘇る。



「ちょっと出てきます」

そう言って立ち上がる。
きっと今のあたしはタコよりも紅い。

「どしたの、ちー?」

「酒飲んだから酔ったんでしょ。やっぱしお子ちゃまにはまだ酒は早いわね~」

なによ、みんなして馬鹿にして!

礼と離れてるのをいいことに、あたしはついにお酒を飲んだ。
シラフじゃやってられない。

礼と蘭さんが仲良くやってるのを平然と見ていられるほど、あたしはまだ人間ができてないんだもん。



大広間から逃げ出して、一人ホテル内を徘徊する。
アルコールを抜くためと、心を落ち着かせるため、あたしの命の水であるミルクティーを飲もうと思ったんだけど…

何なの、このホテル!!
自販機3つ目なのに、どこにもミルクティーが置いてないって、これは一体、どういうこと?


ねぇ、神様。
アナタいい加減ひどくない?

あたし、アナタに恨まれるようなことした覚えないんですけど。
そりゃあちょいちょいお賽銭ケチったりはしたけど、至極真っ当に19年間生きてきたのに。


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