ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

メタリックオレンジのコードレス掃除機を、廊下のクローゼットから出してもらった。

リビングに通されて、そのすっきり片付いた様子を見たらやっぱり『パーサー』だなって感じた。


「じゃあ、任せた。

好きなように掃除してもらえたら有難いよ」


「いいんですか?」


お部屋の中をみんな見ちゃうことになるけれど……。


「構わないよ。ああ、問題ありそうなものは、見なかったことにしといて欲しいけどさ」


問題ありそうなものって……もしや?

顔が赤くなるのを感じた。

普通、私が照れるより、見られる相手が恥ずかしくなるのもなんじゃない!?


「冗談。問題ありそうなものは、特にないよ」


また、からかわれた。


「もうっ!!」


掃除機のスイッチを入れて、身体を動かすことにした。

微妙な空気も、一緒に吸い込まれますように。

リビング、キッチンを掃除し終わり、リビングに続いたドアを開ける。

大型テレビとオーディオが揃えられた部屋だった。

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