ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

☆☆☆☆☆☆☆


「ねえ、コウさん?」


「ん?」


「私、今ならきっと、いい演奏ができると思うんです」


「そうだな、手荒れも治ったし」


「そうじゃなくて!」


「解ってるって」



明日からまた、ブルーウインドでの3航海が始まる。


ふたりだけで過ごせるのは、もうしばらくの辛抱。


すぐ近くで『パーサー』が見守ってくれるとしても、それはもう『コウさん』ではないから。


コウさんが海の上で厳しいのは、当然のこと。

大事なお客様の命を預かりながら浮かぶ、隔離された空間をコントロールする立場にある人だから。

それを痛感しているコウさんが、私を甘やかす訳がない。


でもね。


今だけ甘えさせてください。


そして、甘えてください。

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