ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
普段は他の仕事をしながら、結婚式の間は『専属ピアニスト』として演奏するのであれば、それだけで会社の利益になる。
「まだまだ未熟な私でも、会社に利益をもたらす人材になれるってことですか?」
「そうだ。君が今のまま、パーサー部門で手荒れを気にしながらレストランにいるのは、会社にとっても『宝の持ち腐れ』だからな。
入社したばかりの今は、色々な経験を積むべきだと思うが、どこかの部門のスペシャリストになるのであれば、それも早いうちに決めたほうがいい。
リニューアルは夏休みの前だから、オープニングスタッフになれるように、会社に掛け合うつもりだ。
今の説明で納得できたか?」
「わかりました」
大きく頷いた私に、パーサー……もとい、コウさんはいつもの笑顔で語り出す。
「で、ここからは俺個人の考え。
俺も古風な男だから、できれば妻には陸にいてもらいたいんだ。
安全なところで、俺の帰りを待っていて欲しい。
その方が仕事に集中できるから、な」