ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~
コウさんの部屋の前で立ち止まって待っていたら、少しだけ身体が揺れた。
あ、ここはもう、海の上だった。
停泊中でも船は揺れるのだと、初めて気づいた。
「岩谷の部屋へ案内する」
部屋から出てきたコウさんが、前を進んでいく。
通路の端には、洗面所やコインランドリーが見えた。
コウさんの部屋からすぐの所に、白い鉄製のドアがある。
【女性専用】
というプレートがついていた。
そのドアを思いっきり叩いて、コウさんが叫んだ。
「研修生の岩谷を案内するから、中に入るぞ」
ドアの中から、かすかに返事が聞こえた。