ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

そう言って、二つ折りにした領収書を渡された。


「ありがとうございました」


ラウンジのドアを開けて、お見送りまでちゃんとしてくれるとは。

くるりと振り返って、ぺこりとお辞儀した。


「こちらこそ、ありがとうございました」


パーサーのお仕事の邪魔をしちゃいけないと思い、急ぎ足で従業員通用口へ向かった。

もちろん、通用口を開ける時、周りに他のお客様がいないのを確認して。


そっと、ポケットに『お連れ様』からのメッセージを忍ばせて、部屋へ戻った。


「パーサーに夜食おごってもらったんだって?」


パジャマに着替えたまどかが出迎えてくれた。


「うん、休憩時間1時間ちょっと削っちゃったから、埋め合わせだって」


「夜食だったら、普通に食堂で食べられたのに」


「え、そうなの!?」


初耳だった。


「そっか、裕香はまだ夜勤したことなかったもんね。

夜中までシフトが入ってる時は、夜食つきなんだよ。

今日はうどんで、その前がお茶漬けだったんだ」


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