ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

「私、貴方に振り回されてばかりです!

あんな思わせぶりなことをしておいて、今度は何ですか?

どうして、私に構うんですか?

単なる部下なら、ほっといてください!」


しゃがみこんで、泣き崩れた。


もう、期待することに疲れた。


放置される方が、ずっと気楽なのに。



「まだまだ、半人前だよな、裕香ちゃんは」


この呼び方は『コウさん』!?


慌てて顔を上げると、あの日と同じスーツ姿の男の人。


「よく見てごらん。そしてよく考えてごらん。

君が思うほど、世の中は甘くないんだ。

でも、君が思うほど、人生捨てたもんじゃない」


……どういう事ですか!


そう聞こうと思った時。


ぶーん、という音で驚いて目覚めた。


5時25分、私がアラームをセットした時間より、5分早い。


私の携帯に、新しいメールが届いていた。

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